日本では電気自動車の普及が遅い。2017年度の新車販売台数においては、従来車275万台、電気自動車2.4万台で1%にも満たない。(数値は経産省資料 http://www.mlit.go.jp/common/001283224.pdf )走行距離が短いことやバッテリー寿命の懸念、高額な車両価格などが原因だろう。加えて、充電方法やドライブ中のバッテリー不足の心配などもある。実際の保有台数も一般社団法人 次世代自動車振興センターの統計によれば、おおよそ10万台であることがわかる。

一般社団法人 次世代自動車振興センター 調査から

しかし、グローバル視点で見れば既に激しい競争は始まっている。欧州自動車メーカーの電気自動車(EV)志向は極めて強い。独フォルクスワーゲンは2019年9月9日、ドイツで開催したフランクフルトモーターショー2019のプレビューイベントにおいて、新世代EVの『ID.3』を初公開した。 ベースモデルのドイツ国内価格は3万ユーロ(約360万円)以下になる。

http://www.volkswagenag.com/en/news/2019/09/world_premiere_of_the_ID_3.html

私達が、情報システム構築コンサルティングサービスを提供している関東地方のある中小企業は、既にEV関係部品の生産でこの先5年分の受注を受けている。水面下で量産化に向け情報システムの刷新を進めているところだ。詳しく公開できないが、発注元、利用用途、製造プロセス、全て機密情報として扱われている。これは、内燃機関連部品を地道に作ってきた中小企業経営者の耳には入らない世界なのではないか。なお、この中小企業は、自動車関連産業出身ではない。

100年に1回の自動車産業の大転換期と言われているが、もし、今まで通り普通に受注がきているのであれば、このような水面下の動きは見えないかも知れない。但し、こうしている間にライバル企業たちは、活発に動いていることは間違いないだろう。気がついたら、既に大方の勝負は決まっていたという事にならないように時代の潮流を掴む人脈、情報収集戦略、新技術、新製品開発に注力する事が必要だ。

弊社では、新ビジネスモデル構築プロジェクト支援、新製品開発プロジェクト支援もお受けしている。もし、そのような挑戦にフレームワーク手法を知るファシリテーターが欲しいという場合には、ぜひ、お力添えしたい。