ECの勢いは止めらない

地場の食材製造卸の中小企業の話をしたい。食品原料製造卸が主たる事業であるが食品加工品の消費者向け直販サイトと工場に併設した小さな店頭も持っている。その中小企業のホームページは、5年以上前に開設したもので既に担当者は退社、いつどこに頼んで作ったのかもわからない。管理されていないサイトの典型である。設計は古く、見にくい、わかりにくい、スマートフォン表示もできないと三拍子揃っている。普通に考えれば、訪問者はすぐ他のサイトに離れてしまうだろう。前述の通りこのサイトでは直販商品(食品原料や加工品など)を販売している。これでは、売れないだろうと思い、売れていますか?と聞くと予想に反して、毎月結構注文がくるんですとの回答だった。

北米では、次々とショッピングモールが廃墟モールとなっている。伝統ある著名な小売チェーンが倒産する。この原因のひとつはインターネット通販の興隆だ。もはや、日本においてもこの動きを止めることは難しい。

(出所)Report Collection | Jun 27, 2019
Global Ecommerce2019 Global

この食品製造卸企業が、もし、ホームページを有力な販売チャネルと考え、適切なマーケティングを行ったらどうなるだろうか。ホームページのリニューアルに際し、設計段階から効率的な運用を考慮し、Webマーケティングのプロと一緒にリニューアル計画を進めたら今の数倍の売り上げができるだろう。特に、この中小企業の取り扱い商品は。国産地場産の食材に限定している。生産者の顔も見える。これは大きな強みだ。

では、このプロジェクトが相当な投資になるかと言えば実はそうでもない。しかも、売上直結ゆえに成果も計測しやすい。地道にやっていれば1年で必ず芽は出る。

仮にリアルな世界で新しく販売チャネルを開発しようとすれば、新規開拓先のリストの抽出から営業方法の検討、提案資料作成、営業担当者教育、度重なるミーティングなど多くの時間と手間がかかる。しかも、販売代理店として契約してくれたチャネルが期待通りに売ってくれるかどうかはわからない。直販を拡大する場合は、営業担当者の採用、教育、キャリアプランまで考えなければならない。

従来の営業方法と比較すれば、インターネット販売はきちんとやれば間違いなく売り上げは上がる。その投資も相対的には小さい。もちろん、営業直販、販売代理店戦略も必要である。特に、顧客が地場中心の中小企業は地道な営業活動も必要であり、チャネルの使い分けが重要だ。

もし、インターネット販売戦略に充当できる人材がいない、これから育成したい、挑戦してみたいが、支援して欲しいなどのご要望があれば精一杯支援する用意がある。もちろん、売上拡大の力になれる自信がある。