ついに、2020年4月から中小企業にも規制が開始される。下請け業務が中心の中小企業の場合、依頼元の大企業の時間外労働時間上限規制の影響を受け、やむなく長時間労働で対応していたケースも多いと思われる。今後は、その余波を吸収することは難しくなる。中小企業自らも限られた労働時間の範囲内で業務を遂行しなければならない。だからといって、容易に人も増やせない。人件費の問題もあるうえ、新規採用も大変、運よく採用しても辞めてしまうケースも多いうえ、中途採用も難しい。時間外労働時間の上限規制を要員拡充でカバーすることはそう簡単ではない。我々のクライアントの中小企業でも、人材採用の苦労は続いており、ある会社の経営者は、数年ぶりに新卒を一人も採用できなかったと嘆いていた。継続的に新卒採用ができる会社、人材が定着する会社、中途採用ができる会社になるには、中長期的展望を見据えた人事戦略、キャリアプランの作成、教育研修プランなどが必要になる。それは経営者も十分理解しているが、それをできる人材、する人材が社内にいないことが悩みなのだ。

厚生労働省 働き方改革について 平成30年7月発表資料 参考3/P2から引用

さて、直面する労働時間の上限規制の対応、人手不足解消のためには、やはりITの力を活かすことが良いだろう。短期的な効果を期待できる即効性もあり、経済産業省も補助金制度を多く設定している。特に、推奨するのは「IT導入補助金」だ。数年前は、複数の類似制度との棲み分けがわかりにくい制度であったが、今年は申請し易い制度になりそうだ。 この制度は、事前に登録されたITツール(ソフトウェア、サービス導入費)の調達に貢献する。主にバックオフィス業務と呼ばれる総務、経理、営業支援などの領域にITツールを導入し、経営状況の「見える化」、 IT導入による業務自動化などの多様なニーズに応えることができる。 ITツールの導入の際には、現在の業務フローの見直し、承認フローの見直しなどを実施する必要もある。突貫工事で導入しても期待ほどの効果は出ないはずだ。IT導入補助金の申請時期も近い。今から準備を開始することを推奨する。

●補助下限・上限額および補助率

・A類型 補助金額 30万円~150万円 補助率  2分の1

・B類型 補助金額 150万円~450万円 補助率  2分の1

当社では、申請代行はお請けしておりませんが、協力してくれる中小企業診断士、行政書士などのネットワークがあります。ご要望がございましたら、ご相談ください。