第3回のテーマは、補助金である。補助金と言えば、政府、自治体が税金を投じて行うものと考えるのが普通だ。しかし、補助金という公的機関のイメージや信用を利用し、悪意を持って中小企業を騙そうとする事業者もいるのだ。注意されたい。

さて、どのような手法なのか。昨今、中小企業では、事業継続補助金など補助金で助けられたという経験を持つ経営者も多い。急激に認知度が向上した補助金というキーワードを使い、中小企業の詳細情報を収集すると同時に高額なIT関連商品やサービスを販売する仕組みである。

例えば、悪徳事業者は、申請すればIT調達に対して補助金10万円を得られるとWEBで宣伝する。中小企業事業者は、10万円でも補助金があれば幸いと申し込む。ところが、よく読めば、対象となるIT商材、サービス商材は、月額5万円から10万円で、3年、5年というリースやサービス継続型の長期契約しかない。つまり、総額数百万円の申込に対して、その主催事業者が10万円の補助金を出すという仕組みだ。一般的には、値引き範囲内ではないかと思われる。明確な詐欺サイトとは言い切れないが、中小企業のIT担当者不在、知識の不備を突いていることは間違いない。

どこが悪徳なのか、非常にわかりにくいので、整理しよう。

  • 総額数百万の取り引きに対する10万円の補助に過ぎない。つまり、通常に購入すれば、当然得られる値引きの範囲と想定されるにも関わらず、中小企業に対して、補助金申請を装い、詳細情報の提供を要求する。そして、この申し込み事業社リストは営業活動に利用される可能性が高い。転売される可能性もある。
  • しかも、経産省、都道府県などの公的補助金ではなく、ある事業者からの定額の補填にもかかわらず、あたかも政府、自治体のwebサイトを模倣している。補助金の出所がどこなのか、最後まで読んでも一切書いておらず、おかしいと気がつくまで相当の時間がかかる。
  • 補助金と称する金額の支給の可否は、主催事業者の判断に委ねられている。公平中立的な立場からの補助金ではない。

コロナによる政府の補助金ラッシュにより、中小企業は補助金というキーワードにある意味敏感になり過ぎている傾向がある。補助金は、政府、経産省などの政策としての意向があり、それを実行する意思のある中小企業が補助金を受けて、意向に沿った事業を実行する仕組みである。補助金があるからその事業を考えようというのは、思考が逆であり、好ましい状態ではないし、即席ではうまくいかないケースのが多いだろう。

ところで、今回の『騙されないぞ』を要約すると、指定するIT商材.サービス商材を購入すると定額の補助金と称する金額をその事業者が負担する可能性があるという仕組みだ。たまたまその商材をちょうど調達しようと考えていたのであればまだしも、わざわざ補助金と称する値引きに飛びつくことはない。まずは、インターネットで同類のIT商材、サービスを調べて比較してみる事だ。きっと、目が覚める事だろう。