ある地方のプラスチック関連の工場長との会話である。先行受注も好調、生産も今のところ問題ないが懸念材料は人手不足だと語る。確かに地理的には恵まれておらず、多くの若手が都会に流出している地域だ。当然、採用できる人材の数も質も限られている。今は、外国人材の活躍で労働力不足をしのいでおり、上手に活用できている会社の模範と言えよう。雑談を続けているとひとつ気になる点があった。うちは、好調だけど、同業他社でプラスチックの持ち帰り袋(いわゆるレジ袋)を作っている会社は「先行きが不透明だ」と話していたよ・・・という点である。すでに影響も出ているらしいと話してくれた。
世の中の動きは、環境配慮型商品への移行である。すでに、ユニクロは2020年までに店頭での使い捨てプラスチック包装を85%削減し、全世界のグループブランド3,500店舗でショッピングバッグを環境配慮型紙製に順次切り替える。大手スーパーもレジ袋有料化を積極的に進めており、世界的に「脱プラスチック」の動きが広がっている。イオンはリサイクル原料を使ったマイバッグを発売するなど環境への配慮に力を入れている。
そんな中、2019年10月17日石井食品とTBMの発表は刺激的だった。 石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」をミートボールの袋やおせち料理のトレーに採用するという。翌日、一時は制限値幅上限の同80円高の282円ストップ高まで上伸し、連日で年初来高値を更新した。
このプラスチック関連工場も今は好調であるものの、近い将来、環境配慮型社会への動きが間違いなく迫ってくる。好調な今だからこそできることは何か。好調期を迎えている経営者であればこそ、次の一手を考える時期だ。しかし、多忙かつ多くの課題も抱えつつ新プロジェクトを進めるのは難儀である。時間を買うという意味でもコンサルタントを活かす戦略はいかがであろうか。
2019年11月14日